第6話 黒い丘の天気輪
学校も仕事場も、そして自宅でさえ、ジョバンニの心がやすまる場所ではありませんでした。
これまで、がまんにがまんを重ね、一生懸命生きてきたジョバンニも、ついに心のダムが決壊してしまいます。そしてついに、黒い丘でこの世からの”旅絶ち”を願ってしまうのです。
そんな時、ふと遠くの川に流れる烏瓜の燈灯が目に入りました。
その灯りは死者の魂を乗せ、川から天の川へと昇っていくようです。そしてその幻想的な光景に目を奪われていると、死の世界への入口と言われる天気輪の柱までがはっきり見えてくるのでした。
するとその時、どこからともなく汽笛の音が聞こえ、ジョバンニの目の前に汽車が現れたのです。
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